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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第7章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】

 息継坂を上った先に山門が見え、浄徳和尚直筆と伝えられる扁額が掲げられ〝浄土在是〟(浄土はこれにあり)と記されていた。長年の風雪によってかなり消えかかったそれをしばし眺め、境内に脚を踏み入れる。

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