テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第7章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】

 人は誰でもそっとしておいて欲しいときはあるものだ。たとえそれが親密な恋人であったとしても、踏み込んでこられたくないものはある。小紅は栄佐の今の心持ちはよく判ったから、敢えて栄佐に構うことはせず、栄佐の住まいがひっそりとしているときは訪ねることもなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ