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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第6章 【残り菊~小紅と碧天~】 運命が動き出す瞬間

 花魁姿の梅光は神々しいほど美しく、迫力がある。じっと見つめられると、身体がどんどん強ばって緊張のあまり石になってしまいそうだ。
「お前さん、名は?」
「小紅といいます」
「小紅さんは舞台を見たことがあるのかね。それとも、自分が何かで舞台をやったとか、近い縁者に役者関係の仕事をしている人がいるとか」

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