テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

 栄佐が小紅を見た。
「もう頭を撫でるのも止めた方が良いな」
 その時、小紅は自分でも知らない間に叫んでいた。
「そんなことない!」
 小紅の剣幕に栄佐が眼を丸くしている。
「栄佐さんなら、別に怖くなんかないわ」
 栄佐の眼がふっと細められた。限りなく優しいまなざしで見つめられ、小紅は頬が熱くなる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ