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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

 栄佐は意味ありげに言うと、小紅が渡した手ぬぐいを持ち上げた。
「わざわざの挨拶、ありがとうよ。これからは隣同士だ。よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 小紅が頭を下げるのに、栄佐はプッと吹き出した。
「美桜の言ってたとおりだな。どこの大店のお嬢さまなのか」

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