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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「小紅、俺は針灸をして生業(なりわい)を立ててる。たった今、お前が来るまでもこの美桜がぎっくり腰になったっていうんで、治療してたところだったのさ。こいつ、いつも治療の途中で俺が身体に触れる度に妙な声出しやがるから、俺の方も恥ずかしくて仕方ないんだ。お前が聞いた声ってえのは、大方は、そのときの声だろう」
 栄佐が淡々と言った。

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