一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第27章 第二部・第六話【春咲く花】 逢瀬
〝でも〟と、小紅は小さく息を吸い込んで続ける。
「身も蓋もない言い方かもしれないけれど、役者も鍼医も何も栄佐さん一人っていうわけじゃないでしょ。仮に栄佐さんが止めてしまったとしても、また別の誰かがその代わりに頑張ってくれると思うの。だけど、角倉さまのご当主になれるのは栄佐さんだけだわ。ましてや、ご用人さまやご家来衆があれだけ栄佐さんに戻ってきて欲しいと願っているんだもの。それで、戻らないって法はないでしょう」
「身も蓋もない言い方かもしれないけれど、役者も鍼医も何も栄佐さん一人っていうわけじゃないでしょ。仮に栄佐さんが止めてしまったとしても、また別の誰かがその代わりに頑張ってくれると思うの。だけど、角倉さまのご当主になれるのは栄佐さんだけだわ。ましてや、ご用人さまやご家来衆があれだけ栄佐さんに戻ってきて欲しいと願っているんだもの。それで、戻らないって法はないでしょう」
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