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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第13章 第一部第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 龍馬という男

 小紅は龍馬に貰った菓子を丁寧に包み、懐に入れた。それから、景気づけに両手で頬をパシンと叩く。
「何をしとるがじゃ?」
 不思議そうに見る龍馬に、小紅は微笑んだ。
「景気づけです」
「景気づけ?」
「元気の出るおまじないのようなものです」
「なるほど」
 龍馬は感心したように頷き、それから笑った。

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