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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第13章 第一部第三話【戀月桜~こいつきざくら~】 龍馬という男

「どうした? 何で泣くんじゃ? 俺が何かまずいことを言うたかの」
 突然泣き出した小紅を見て、龍馬は慌てている。
「済まんのぅ、俺は二十三にもなっていまだにおなごをまともに口説いたこともない朴念仁で、どうも女を歓ばせる手管を何ちゃ知らんけん、おまんの気に障ることを言うてしもうたかもしれん」
 小紅は首を振った。

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