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　龍馬に両手を取られ、小紅は呆気に取られた。彼は小紅の両手を自分の大きな手で包み込み、嬉しげに振っている。まるで幼子が気の合う友達を見つけたような無邪気な歓び様で、そこには男が女に触れているといったようないやらしさは微塵もなかった。
　だからこそ、男性に触れられることに抵抗を感じているはずの小紅が龍馬の手を振り払おうという気にもならなかったのかもしれない。