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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第25章 ♡清算済み


「~~~~莉央! 顔!!」

「………は?」

「優しい顔になってる!!」




横断歩道の手前で立ち止まって、大画面を見上げていた莉央が、興奮した私に目線を戻した。


その顔は、いつものクールな表情に戻っている。




「そう!その人を見下すような冷たい目。
それでこそドSで血も涙もない営業一課の宮本さんよ!」

「……勢いにまかせて盛ってんじゃねーよ。
何、いきなり」

「本当に清算済みなんでしょうね!?」

「何が?」

「トボけないで!
今、ものすごぉ~い温かくて愛しい目で彼女を……」

「信号青になったぜ」



細身のカーゴパンツのポケットに手を入れて、莉央は横断歩道をスタスタと進んだ。


……すれ違う女の子達の視線が、それはもう吸い取られる勢いで莉央に集中する。



「~~~芸能人かお前は!!」



叫び声に近いツッコミを言い放ち、慌ててその後を追いかけた。


………7月初旬。


梅雨が明けて夏本番を迎えた今日は、会社が休みの土曜日。


デートに相応しい、晴れやかな天気。


幼なじみの莉央と恋人同士になってから、1ヶ月が経った。

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