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闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

先日の白虎騒動の後、コロシアムは通常通りに闘技が行われていた。

ステージには傷ついた魔族が上げられ、人々は戦士によってそれが殺されるのに熱狂していた。

(狂ってやがる……)


月影は歯を食い縛ってその光景を見ていた。


魔界から生還した月影は可能な限りの魔族の子供を連れ帰った。

魔界は焼き払われることが決定していたからだ。
残っていれば幼い魔族の子供は焼き殺される。

そして魔族の子供たちと人里離れた場所にキャンプを張った。

初めは人間の月影に怯えていた子供たちも彼の献身的な世話に心を許し始めていった。

TOMと約束をし、果たせなかった魔賊と人間の共存。
その足掛かりを作っていたのだった。

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