テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

「無駄よ……」

まあやの声に生徒たちは脇にそれて道を開ける。

「その子たちに帰る里なんてないの……」

まっすぐにみぃみぃを見据え、まあやは歩を進めていた。

「おっ!? パンチラちゃん!! 今日も白いの穿いてるのか?」

いつも通りのみぃみぃの野次にもまあやは表情を変えない。

「ノリ悪ぃなぁ、相変わらず。帰る里がないってどういうことだ」

「私も同じ。ここの子供たちは両親を殺されたり、戦争で村を焼かれた子供たちばかりなの」

「ほお……そりゃ気の毒だ」

「だから帰る場所なんてない。あなた達みたいにごろつきの賊に成り下がるか、ここで生きていくしかない」

シスターの眼鏡の奥の瞳には悲しみと怒りが滲んでいた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ