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氷の王子と森の姫

第2章 婚約

そう、王子が言うように、この国は元々大人の人が少ない。

そして、最後の男性、私の父は先日亡くなってしまった。

「そう…ですね…。
それに、この国では武器などもあまりない…。
一つの国となりましょう。」

本当はそんなの嫌だ。

お母様やお父様が守り抜いてきた大事な国を隣の国とくっつけてしまうなんて…。

でも、この国を守るためには必要なこと…。

「ありがたきお言葉。
では、明日婚前の儀式をあげます。」

「婚前の儀式?
結婚式や結婚披露宴ではなく?」

「…そうです。
契りを交わすのです。」

「わかりました。
では明日、王子のくにへ向かいます。」

王子は無表情のまま言い放った。

「ではお待ちしております。
失礼します。」

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