
とあるホストの裏事情・完
第32章 大丈夫
狙うは唇。
鼻と鼻がくっつく程の距離まで来ると
研斗が目を瞑った。
俺はそこで震える唇を楽しく拝見していた。
したくてしたくて仕方ないのは俺もたし研斗も。
そして研斗が目を開けた瞬間、
その唇に噛みつくようにキスをする。
「っん!…っふぅ、っん」
鼻で息をしながら、俺の頬に指を添えてくる。
小さな声が漏れていて、腰も動いている。
はぁ、もう、かわいい以外の何ものでもないわ。
下顎から包み込むように両手を添えると、もう片方の手でその上から重ねてくる。
「ふぁ… んふっ、ぁ、む…」
「ふっ…ん」
一生懸命応えようとしてくれる姿勢はとても嬉しい。
アルコールの匂いが鼻を掠めるけど
研斗の匂いを共有していると考えたら少し興奮してきた。
ひとしきり楽しんだら顔を放す。
研斗の唇は艶を含み濡れていた。
肩で息をしている研斗の前髪をかきあげ、愛しそうに眺めてみる。
「ごめん、ちょっと止まんなくなった」
「んーん… きもちぃ…」
笑顔でそう言う研斗にまた俺は『萌え』た。
