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「再会」と呼べる「出会い」

第4章 兄と弟

君はあれか?
頭が少し、アレなのか?

「あの、悪いが人違… んっ!」

…なんだ?!
身動きがとれないっ?!!

金縛りにあった俺は
迫りくる男の唇から
逃れることができなかった。


「悪いけど
 俺は間違ってない」


…唇を離し
奴はそう言い放った。


「…やれやれ
 兄さんに手をかけてる場合じゃないんだ。
 次、があるからさ」

男はそう言って右腕を上げ
手の平を掲げた。



 ザ ザ ッ



… 嘘だろ??

手の平から水が渦を巻いて出てきた。

なんだ?水芸か??

水は描くように
龍の形になった。

え   


龍っ?!!



「元の宿主に帰ろうね」


「っわ!!!!!」



水の龍が襲い掛かってきた。

ゴボボボ…


…いったい

なんなんだ







目を開けると
男が覗いている…



「にいさん」


「…?!!!」

突如、身体の中から
勢いよく何かが溢れてくる。


「…」


「…思い出して」


溢れて来る

これは

記憶






あぁ …知ってる

俺はお前を知ってる。



「カラス
 お前なんで
 全然変わってないんだ?」


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