
溺れる愛
第6章 変化
狭いトイレの個室で密着した身体。
息遣いさえも聞こえる程の距離に
心臓がドクドクと音を立てる。
そして、誰かにバレたらという緊張感が
更に芽依を焦らせた。
『んんっ…!』
「声出すなよ?」
そう言って那津は塞いでいた手を離して
芽依を後ろ向きに立たせた。
『な…に、するの…?』
扉に手をついて、首を捻って後ろを見ると
すぐそこには那津の整った顔があって
耳にふっと息を吹きかけられる。
「この方がやり易い」
『……っ…』
無駄に響くトイレ内で、いくら放課後ともいえど
少しも気を抜けない。
(早く終われ──)
すると、うなじに那津の唇が触れて
それと同時に第二ボタンまで開けたシャツの隙間から
那津の手が滑り込んでくる。
そのまま胸を鷲掴みにされながら
スカートの中にも那津の手は遠慮無く入ってくる。
『んっ…っ…』
立ったまま、ビクッと震える身体を支える事で精一杯で
芽依はギュッと目を瞑って、後ろからの愛撫に神経を尖らせた。
「脚…もうちょっと開いて…」
耳元で聞こえる低い声に、おずおずとゆっくり従った。
「そのまま…声出すなよ?芽依…」
下着の上から那津の指がその秘部に触れて
ピクンと脚が反応する。
『……っ…ぁ…』
(先輩と…せっかく近付けたのに…
盗撮の事バラされたら終わり…だから…)
だから自分は今、素直に従っているだけだと
必死に自分に言い聞かせた。
