溺れる愛
第24章 少しずつズレる歯車
改装の打ち合わせも着々と進み
いよいよ工事が始まった。
「こんにちは。いよいよですね」
『あ…こんにちは。森山社長…』
今日は那津も田所さんも立ち会いに来ていて
菜々子ちゃんは凄く嬉しそうだった。
なんか…頭痛い…。
疲れが溜まってるのかな…。
時折ズキズキと容赦なく痛むこめかみを押さえて
私は深く深呼吸した。
ちょっと…休んでもいいかしら…。
『ごめん、菜々子ちゃん…少し任せてもいい?』
「はい…いいですけど、先輩…大丈夫ですか?」
『え…?』
「なんか……顔色が真っ青ですよ…」
『そう…?少し疲れてるのかも…。
外の空気を吸ってくるわね』
「はい…でも、辛かったら今日はもう帰った方が…」
『いいえ、平気よ。少し休めば良くなると思うから』
そう言って、私は那津、田所さん、菜々子ちゃんを残して現場を離れた。
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