溺れる愛
第22章 あの頃の君は
俺の親父のライバル会社の重役で、やり手の芽依の親父さんは
うちの会社の取引を左右する人材だったらしく
芽依の親父さんさえ居なければ
うちはトップになれたらしい。
そして、俺はそれを引き受けた。
だからワザと、芽依と同じ高校に入学したんだ。
そしてワザと、芽依に近づいた。
何か弱味を握れないかと、ずっと監視してた。
最初はさ…自分の目的の為の駒だとしか思ってなかった。
けど…お前…なんつーか…
他の女と違ってキャピキャピしてねぇし
真面目だし…
何より、“俺”を見てくれてた。
段々芽依に惹かれていく自分に、俺は戸惑ってた。
目的の為に、芽依を傷つけてしまう。
芽依の家族ごと潰してしまう…。
俺…最後の最後まで優柔不断で…
だから、芽依に男がいることを言い訳にしたかったんだ。
なのに…お前はあの時…
俺を選んでくれただろ?
あんなに酷かった俺を…。
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