溺れる愛
第22章 あの頃の君は
「あいつ…誠司がやたらと煽るから」
『煽るって…?』
「それはもういい。
それより…、もう少し一緒に居られるか?」
そんな事訊かなくても…私の答えは決まってるよ。
『うん。大丈夫だよ』
「じゃあ…俺ん家でいい?」
え……那津の家…?
どどどど、どうしよう!
なんか変に緊張してきちゃった…!
『…うん…いいよ』
きゃー!
こんな事になるなんて思ってなかったから
何の準備もしてないよー!
ていうか、心の準備が…!
自分の家に招く時とは全然違って
那津の家に行くという緊張感は凄まじかった。
ドキドキが止まらない…。
緊張から視線を泳がせながら、私達を乗せた車は
都内の高級マンションの地下パーキングへと入って行った。
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