不器用なくちびる
第24章 【春菜 19才】
昔、大好きだったあの人が
私の親友と
キラキラ光る中庭で
キスをしている。
長身の彼と、華奢な彼女は
まるで王子様とお姫様が
描かれた一枚の絵みたいに
ロビーの窓という額縁の中に納まって…
私は、なんだか感動して泣いていた。
良かったね、栞。
「…良かったね…橘……っ」
二人はとってもお似合いだよ。
誰にも2人の邪魔をすること
なんてできない…
「おいあいつら…
いつまでキスしてんだ?
香山は嫌っていうほど
幸せになれそうだな…」
椎名が私の肩をポンポンと叩いた。