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pure love

第6章 友情?

凛の家から少し離れた所で、チラリと振り返る。

ここなら見られないだろう。

そう思うと、一気に限界がやってきた。


壁に手をつかなきゃ立っていられない。

心臓がすげー痛い。

微熱のせいでやたらかいてた汗も、今は冷や汗に変わる。

「はぁっ…はぁっ…」

結構大きく息してんのに、どうしようもなく苦しい。


ワイシャツのポケットに手を突っ込む。

発作を抑える薬…

手が震えて飲むまでにまた時間が掛かる。


(…なんか、ちょっとの動作でも辛くなってる……)

どうにか薬を飲み込んで、その場に蹲る。


俺だって、好きな女の前でくらいカッコ付けたい。

こんな病気のせいで、普通の男よりハンデがデカイのに…

「くそッ……」

凛の笑顔を思い出す。

他の誰にも、触れさせたくない…


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