片想いの行方
第67章 ☆立場逆転
ワケが分からないけど
1人であたふたしている美和を見てるだけで
その姿が可愛くて、心が温かくなるから
愛しい気持ちが生まれてくる。
「お前、なんか小動物みてーだな」
「………何それ、褒めてないでしょ」
扉に向かって歩き出した美和の後を付いていく。
斜め後ろから、赤くなった美和の頬が見える。
………やべー。
今すぐ抱きしめたい。
「………ダメだよ、ヒメ」
俺がその髪に触れると、美和は振り返らずに呟いた。
「誰も見てねーじゃん」
「会社は、ダメ」
「キスだけ」
「………ダメ」
……はぁ。
ダメしか言わねーんだもんな。
そして、エレベーターは別々に乗る気満々だし。
この俺様が、これだけ愛情表現してるっていうのに。
美和はしっかりONとOFFを分けている。
俺の腕の中ではあれだけ甘く喘ぐくせに、信じらんねー。
どれだけ俺を乱すんだよ。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える