
片想いの行方
第56章 恋する姫君
「……もしもそれで、マジで引かれたらどーしてくれんだよ……」
「「は?」」
自分で呟いた言葉が、心臓を締め付ける。
10年もの間、片思いをし続けているのは事実。
会社まで追いかけたのも自分の意思。
その想いと行動を客観的に見たら……
普通にキモイ!!
それを告白した場合の、美和の反応なんて………
考えただけでも恐ろしい。
だから
他の女なんて目に入らないくらい、美和のことが好きなのに
ストッパーである “ 遊び人の俺 ” を外す事ができない。
………都大会の日、追いかけながらも気持ちを抑えて、一度は蓮に譲った。
その翌年の……奇しくも日付は昨日。
クリスマスツリーの前で告白しながらも
美和を想う余り、その笑顔を自分のものにはできなかった。
もし
今、正面からぶつかって、今度こそ美和にきっぱりフラれたとしたら
「………俺、立ち直れるのか………?」
