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片想いの行方

第51章 制裁






「まぁ、こんなのオマケみたいなもんで、端から期待なんてしてねーけどな」



ヒメはボイスレコーダーを手の中で転がす。



「運よく、今でも病院に~とか、痛くて~とか言っちゃってる言葉でも拾えてたら

ラッキーってだけだから」



「……………!!」





一条さんの顔色が、一瞬にして変わった。




今の………



………どういうこと………?





放心する一条さんと私の前で、息つく暇もなく



ヒメは革ジャンのポケットから、折りたたんだ1枚の紙を取り出した。


そして、彼の前でそれを広げる。






「あんた、これ自分で修正してるだろ」




「………!」




「『全治36か月・右足腹雑骨折』。


総務の子も、面倒だからスルーしたんだろうけどさ。


骨折で36ヶ月って、どんな診断だよ。


……しかも“ 腹雑 ”って。


複の漢字が間違ってんだよバカが」






ヒメが手に持っているのは




病院からの診断書だった。

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