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片想いの行方

第51章 制裁




「……………っ」




うそでしょ………!?



呆気に取られて声が出ない私の頭に、ヒメは笑いながら手を乗せた。




「ラッキー。

自動ドアを開けさせる脅し文句を色々用意してたんだけど、必要無かったな。

むしろ、何でお前ここで扉開けて待ってたの?」




「………ヒ、ヒメ…………」




やっと声が出たけど、あまりにも突然で状況が整理できない。




「……どうしてここに……」


「だから、助けに来たんだってば」




ヒメはもう一度ニッコリ笑うと、玄関の中に入り、靴を脱いだ。





「……ちょ!ちょっと……!」


「なにこの内装。
ムカつくほど豪華だけど、趣味悪~」




廊下を進み、リビングのドアに手をかけるヒメを



私は慌てて止めた。





「……っヒメ……駄目だよ……!

こんなの……」




「美和」






顔を上げると




ヒメは優しく微笑んだ。








「今までよく1人で我慢したな。



……遅くなってごめん。



もう大丈夫だ」

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