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片想いの行方

第44章  『元気だよ』




『それで?

あの男のことだから、どうせイケてるまま大人になってたんでしょ?

久しぶりの再会で、また胸がトキメいたりしたんじゃない?』



「………えっ……?」





アンナの言葉に、ドキンと心臓が鳴る。





指定の時間が過ぎてたから、ろくに会話もせずに出てきてしまったけど。




………あの目と、力強い手の温もりを思い出す。




明日から同じ会社にヒメがいるなんて、やっぱり信じられない。







「……まだ、逢ったばかりだから……

よく分からないよ……」




『ふうん?』




アンナは少し笑ったような声で続ける。



『電話したのが久しぶりだから、美和の近況がどうなってるか知らないけどさ。

あんた相変わらず彼氏いないんでしょ?

だったら、甘酸っぱい恋の再来に………


うっぷ………!」




「……………!」





電話の向こうで、ガタガタと音がした。




「アンナ? 大丈夫!?」

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