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片想いの行方

第42章 もうひとつの世界



まだ誰も起きていない1階のリビングに降りて、電気を点ける。



そのままキッチンへ向かうと、昨日洗って乾かしたままのお弁当箱を、2つ取り出した。



今日はいつも以上に体がだるくて、つい手抜きをしたくなる。




……だけど





「………………」




私は唇をきゅっと噛んで、冷蔵庫を開けた。












………………………………………………………




簡単に化粧をして、長い髪を後ろにまとめる。



手際良く作ったお弁当を、ランチバックの中に入れて



ちょうど6時を過ぎたところで、私は玄関に向かった。





「美和。待って」





パンプスに足を入れた時、後ろから母親の声がした。




「今日は夕方から雨が降るみたいだから、これを持っていきなさい」

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