片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
「蓮…… 去年から泣き虫だの弱虫だの……
この俺を昆虫扱いしやがって!
だいたい、毎回俺の次にって…
その勝手な2番手扱いも気に入らねー」
「なんだよ、事実だろ。
見ろ、この俺の身包み剥がされた姿を。
ボタンどころか、学ランまで全然知らねー女に取られた」
「はぁ? それを言うならなー
俺だって何人の下級生から、卒業しないでーって泣かれたことか……」
「はいはい、分かった分かった。
どっちも同じくらいカッコいいから」
蓮と俺が触発する寸前で
座っていた中野がため息をつきながら、俺たちの間に足を上げて遮った。
「ったく、こんな幼稚な事でケンカする奴らが、なんでモテるんだよ。
やっぱり世の中顔だなー」
「……俺は心がキレイなんだよ」
蓮はそう呟くと、また中野の隣りに戻った。
俺も元いた場所に腰を下ろす。
……けっ。
こんな事で突っかかってきやがって。
ガキかよ!
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