片想いの行方
第28章 目を覚ませ
「てめぇ…… なにしやがる!」
「お前がアホだから、分からせてやろうと思っただけだ」
「だからって急に殴る奴いるか!
日曜に試合だって知ってんだろ。
問題起こすと出れねーことぐらい分かれよボケ!!」
俺がそう言ってヨロヨロ立ち上がると
ヒメは声に出して笑い出した。
………!
こいつ………!!
「…っ 笑いごとじゃねーよ!」
ヒメの胸ぐらを掴む。
それでも奴は笑いを止めない。
「やっぱりお前は口が悪いな」
ヒメは俺の目を見たまま続ける。
「…それが本来の蓮だ。
優香に合わせて大人ぶりやがって。
無理しすぎで全然似合ってねーよ」
……つい、昔のように、本音がそのまま口に出てしまった。
そんな俺を見て、ヒメはニヤニヤ笑う。
「……腫れる前に冷やせば?」
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