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薫子の先生な日常

第2章 Kとわたし

すっかり暑くなったなあ…と思いながら廊下をペタペタと歩いていると、サボテンにご飯を与えた川原が走ってきた。

「先生、この前の土曜日、うちの監督と一緒にハンバーグ食べてました!?」

「え。うん。」

それが何?というように川原を見ると、彼はマンガみたいに、あちゃーと頭を抱えた。

「今、女子がそんな噂してて…ていうか国語のテストヤバかったっす!!」

「お前の国語の困難さはわかっている。(強制補習だ。)あと、女子は噂好きな生き物だ。」

「ちがっ!!あー、Kが監督見つけたっぽい!!!わー…」

落ち着きのない川原の視線の方に目をやると、まさにKが廊下を全力疾走しているところだった。

「先生、やばい。話させちゃだめだ。」

川原の話を後ろで聞き、私も走った。

何かをKが長井に言っている様子だったのを無理やりひっぺがす。

長井も何かを言いかけていたが、ちょっと今は優先順位が下だ。

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