
隠れて甘いkissをして
第74章 大切なひと
緩やかな坂道を登ると、小さな教会の屋根が見えてきた。
雲ひとつない真っ青な空。
2人を祝福するように、爽やかな風が吹き抜ける。
「それにしても、あいつらが先に式を挙げるとは。
俺としたことが、彰に負けるなんて」
石畳の階段を昇りながら、隼人が悔しそうに呟く。
もー…///
そんなことで競ってどうするのよ……
「まぁ、入籍したのは俺と由宇の方が早かったけどな」
「…………///」
隼人の言葉に、思わず笑ってしまう。
隼人が帰ってきて、ちょうど3ヶ月。
立花と香ちゃんの結婚式が、もうまもなく始まろうとしていた。
