
隠れて甘いkissをして
第73章 宣戦布告
その領収書は、紛れもなくダイヤのエンゲージリングであることを示していた。
「………!!」
さっきまでの幸せな気持ちが一気に吹っ飛ばされる。
「あんた気圧で頭おかしくなったわけ!?
婚約指輪を会社の経費で賄うやつがどこにいんのよ!!」
「本当は赤いロープで囲まれたとこにあった、1番でかい石のが良かったんだけど。
さすがに高くてさ。
……はぁ、俺がもっと稼ぎが良かったらな……」
隼人がシュンとしてため息をつく。
「どれだけのモノ狙ってたのよ!
だいたいカルティエのプラチナってだけでいくらすると……」
ハッ……!!
あたしは領収書に目線を戻す。
一・十・百・千・万・十万・ひゃ…………
