
隠れて甘いkissをして
第60章 暫定彼女
それにしても……
あたしは横からちらっと咲原先輩を見た。
あんなスゴイ人と付き合ってれば、色々大変なんだろうなぁ…。
時間も合わないだろうし、外も歩けないなら一緒にデートもできないよね?
それは辛いよ…
それに、周りにも付き合ってることは秘密にしなきゃダメなわけだし。
そんなの耐えられないよ。
あたしだったら、自慢の彼氏でーす!ってビラ配りたいくらいだもん。
今だって、立花先輩はあたしのですって、皆に言いふらしたくて仕方ないもの。
「…? なに?」
視線に気付いた先輩がこっちを見た。
「いえっ、何でもないです!」
ふふふっ。
あたしはニヤつきながら目線を元に戻す。
