
隠れて甘いkissをして
第40章 叶うなら…このまま①
仕事が終わってエレベーターまで向かう途中
営業先から戻ってきた立花と遭遇した。
「咲原、帰るの?」
「う、うん……!
立花は遅かったね」
久しぶりに2人で会話をするから、少し緊張する。
「明日から夏休みだろ?
海老沢のフォローしとくから。
ゆっくり休めよ」
「うん、ありがとう……」
ふっと笑った立花を見て、私は胸が苦しくなった。
「じゃあな。お疲れ」
立花は私の横を通り抜け、社内に戻って行った。
………いいんだ。
これが普通の、同期の会話。
そうなりたいと言ったのは、私。
振り返りたい気持ちを抑えて、エレベーターに乗った。
