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Take me

第17章 17



チャイムが鳴る。

今日一日、ただ時間が淡々と過ぎていっただけだった。



授業中は上の空でなにひとつ、耳に入ってこなかった。
授業が終わってもそんな感じで、ただ暗い空が流す涙をじっと見つめている。


ガタッ

隣から椅子を引く音


「紘夢?」


俺は瑛士の制服の裾を反射的に掴んでいた。


「どこいくの?」
「え、トイレだけど」
「…俺もいく」



瑛士の裾を握ったまま隣を歩いた。


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