Take me
第13章 13
それ以降、瑛士は両親の話はしてくれない。けれど、
その日を境に、お兄ちゃんは毎週末、瑛士の家に来るようになった。
なんなんだろうこの人は
どうしてこうも俺の心を乱すんだろうか?
こんな事されたら、いつまでも手放せないじゃないか
「瑛士くん、お邪魔しても良いかな?」
「どうぞ」
「良くないよ」
いつもより低い俺の声に、その場は沈黙に包まれた。
「紘夢?」
「ひーくん?どうしたの?」
どうしたの、じゃない
人の気も知らないで。
残酷な人
「お兄ちゃん、なんで最近よく来るの?」
「それは、ひーくんが元気にしてるかなぁって気になるでしょう?」
「それで毎週来てるの?」
黙るお兄ちゃん
「俺にどうして欲しいの」
言葉では何一つ表してくれないけど、
その行動に隠されているなにか。
俺、いつまでも捨てらんないじゃん…
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