テキストサイズ

いつまでも、何年経っても切なくて

第20章 悲しい嘘のはじまり

私が考えていると


「そんなに考えなきゃ出てこないのか?」
と意地悪く笑う


反論できずにいると


響の右手が私の左頬に


触れた



しばらく無言で私の頬を撫でてから


「莉子...


綺麗になったな」


と囁いた




「莉子は...

あの時、幼なじみに戻れないかなって

言ったろ?」


私は黙って頷いた



「俺たちはちゃんと戻れてるのかな...」


どう、いう...意味?



「莉子が泣いてる時、
俺の胸を貸してやってただろ?」



『う、ん...』



「俺、今なんだか無性に泣きたい気分」


だから俺にも莉子の胸貸してよ




そう言って



私の胸に顔を埋めるように



抱きついてきた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ