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　秀吉のこの度の上洛は天下人としての威光をあまねく天下に知らしめるためにも重要な意味を持つ。世嗣たる秀継がそれに付き従うのは当然のことながら、嫁してから戦らしい戦もなかったゆえ、秀継の長期の留守は初めての帰蝶にとっては何とも心細いものだった。
　京都に入った秀吉はまず参内して帝に拝謁、この度の右大臣任官の御礼を奏上し、帝おん自らの言葉を賜った。