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　秀吉にはひそかな危惧があった。それはいまだ幼い二人の息子たちの将来についてのものであった。千菊丸と松若丸の兄弟を二人一緒に置いていては、いずれ遠い将来、二人の間に争いが起こる―端的に言えば、千菊丸が松若丸の羽柴家当主たるのに妨げとなるのではないか、思慮深い秀吉が二人と羽柴家の行く末を慮っての苦渋の決断であった。