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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

「されど、噂にもいくばくかの真実は含まれておることが多うござりまする」
 明子は、そんな秀吉にはっきりと断じた。「何が言いたい?」
 横を向いたまま秀吉が低い声で問う。
「お館様は、その方のことを忘れるために、夜毎、色々な方をお召しなのではございませぬか」
 容赦なく続ける明子に、秀吉が声を荒げた。

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