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華のしずく~あなた色に染められて~

第6章  雪の華~華のしずく~

 それは幼くして敵国も同然のこの国へと嫁す運命(さだめ)を担ったこともあるのかもしれない。与えられた運命に逆らうこともなく、ただ従容として受け容れてきた潔さ(もっとも、当時の女性の多くは皆、男の言うがままに政略の具として嫁ぐのが習いではあった)が徳姫の持つ悲壮感を引き出し、彼女を見る者に痛ましさを感じさせずにはおれない。

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