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華のしずく~あなた色に染められて~

第6章  雪の華~華のしずく~

 上背もあり、誰が見ても魅きつけられずにはおれない美丈夫であった叔父秀吉に比べずとも、何とも癇性そうなことか。
 否、秀吉ほどの大器と比べずとも、若者らしい、溌剌さや覇気といったものがおよそ感じられない。確かに京人形を彷彿とさせるような典雅な貴公子然とした面立ち、佇まいではあるけれど、秀吉のような明朗さ、大らかさはどこを探しても見られない。

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