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華のしずく~あなた色に染められて~

第4章 【華のしずく】~試練~

 家老貞親は取り乱すこともなく主君を迎えた。
「お館様、これよりいかがなされまするか」
 控えめに問う貞親に、信成は返り血を全身に浴びた鎧直垂姿のまま、蒼白な顔で下知を下した。
「最早、籠城より我らが取るべき道は残されてはおらぬ」
「はッ」

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