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　信成には、珠々の気持ちが痛いほど判っていたのだ。珠々もまた、良人のそれだけの言葉ですべてを解した。自分が青竜の国に行くことを信成は髪の毛ひとすじほども望んではいない。それを口にすることは、信成の武将としての、いや、男としての誇りを傷つけることになるのだ。珠々はそう思って、すべてを呑み込んだ。
「秀吉め、来るなら参るが良い」
　信成は挑戦的な口調で、怒りも露わに吐き捨てるように言った。