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華のしずく~あなた色に染められて~

第30章 【剣(KEN)~華のしずく~】 闇に喚ばれし者

 龍伍が真っすぐに掲げた光の剣から一条の光が天へと向かって走り、光は龍の姿となっていた。光に包まれた龍は漆黒の夜空を悠然と泳ぐ。天翔る龍の眼(まなこ)は、この刀の柄の龍のように蒼かった。
 龍伍は今、光る龍と一体になっていた。心地良い浮遊感に身も心も委ね、たゆたっている。
 ウォーとも何とも獣の咆哮のような悲鳴を上げ、浅太がその場にから逃げようとした、まさにその時。

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