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華のしずく~あなた色に染められて~

第29章 【剣(KEN)~華のしずく~】 決意

「ありがと、でも、私なら大丈夫」
 おそのは微笑んで言った。
 だが―、龍伍は何かしら嫌な予感がしてならなかった。それならば、その夜、おそのについていてやれば良かったものをと、龍伍は後々まで悔いることになるのだが―。
 その夜、龍伍が荒れ寺の本堂で子どもたちに混じって眠りにつこうとしている最中のことだ。
 大勢の人いきれで、狭くて風通しの悪い本堂はムッとするほど暑い。龍伍は昼間からの胸騒ぎで眠れず、幾度も寝返りを打った。

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