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華のしずく~あなた色に染められて~

第27章 【月華-月姫(TSUKIHI)-~華のしずく~】幻の蝶

「まだ横になっておらねばなりませぬ」
 月姫が優しくたしなめ、秀信が小さな千手丸の身体を抱き上げ、布団の中に戻してやった。
 それから四半刻もして千手丸が安らかな眠りについたのを見て、後は乳母に任せ二人は月姫の部屋へと移った。
 二人だけになった部屋で、秀信が月姫におもむろに何かを差し出した。
「これを遣わそう」
「―?」

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