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華のしずく~あなた色に染められて~

第25章 【花屑(はなくず)~華のしずく~】

「よろしうございます。他ならぬ秀継殿の頼み、当家に出入りする布を商う商人がおりますゆえ、その者に申しつけて良い品を取り寄せましょう。帰蝶殿にはどのような色柄がお好みでしょうか」
 と、秀継は一瞬思案顔になり、はにかんだように笑った。どうやら、青龍の国で留守を預かる妻のことを思いだしたようである。
「どちらかと言えば、大人しい顔立ちの女です。色は―白うございます」
 その応えに、寧子は笑った。

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