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「お嬢様。」

第14章 あきのはじまり

目覚めたのは翌日だったみたい。

お母様と龍太郎さんがいる。

離れたところで蓮の姿も

時雨と優ちゃんも目にはいった。

「花蓮っ?」

龍太郎さんがあたしの様子に

気づいて近寄ってきた。

「大丈夫、お前は......無事だから」

そう、夢でみたのは現実だったみたい。

あたしから離れてゆく愛の欠片。

さよなら、と口だけ動かすと

黒い渦の中に

吸い込まれていった。

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